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ラストチャンス!! ~熱い戦い79~

「決戦」

前日の敗戦から一夜過ぎ、とうとう最後の試合を迎える日。

対戦相手は香港。

3位決定戦だ。

これに勝てばスリランカ野球史上初のメダル獲得になる。

メダルを持って帰るのと、もって帰らないのでは絶対違う。

だからこの試合は絶対に負けられない試合なんだ・・・・。

前日の様子を見ていると、選手達も何かを感じてくれたのか、それぞれができることをやってくれていた。

素振りをするもの、ビデオを見て研究するもの、体を休めていつもよりも早めに寝るものといった感じだったろうか。

俺たちの試合は第一試合。

先発は泣いても笑っても後悔だけはしないように、一番信頼できる投手アミラ。

オーダーは大きく変更せず。

実際は大会中不調のガンマンピラに代えてカルーにしようかとも考えたが、そのままにしておいた。

さあ、ウォーミングアップ。

しかし、様子がおかしい選手が一人。アミラだ。

昨日の試合後から全く元気も無い。

完全に前日の敗戦を引きずっていた。

キャプテンでもあり、先発でもあるアミラ。このままではだめだろうと思い、ウォームアップの途中で呼び出す。

「どうしたんだ?そんな状態じゃどうにもならんぞ?お前はキャプテンとしての自覚があるのか??」

暫く間が空く。

アミラの目には涙が。

おいおいおい、子供じゃねーんだから頼むぜ。

くして、アミラは重い口を開く。

「今日の試合で自分は最後にしようと思います。だからそれが悲しくて悲しくて・・・・」

その言葉にちょっとカッチーンと来た俺。

「お前がこの試合で最後にしようがしまいがお前の勝手だけど、明らかにそんな落ち込んだ状態では結果が残せるとは思えない。大体この試合はお前の引退試合のために用意したわけじゃない!!!選手一人ひとりがスリランカの国旗を背負って戦っているんだ。お前一人がそんな勝手なことを考えているなら、今すぐオーダーを変える。切り替えてできるのかできないのかはっきりしろ!!!!」

また沈黙。

アミラは涙を流す。

暫くして、アミラが「できます」そう答えた。

すぐに俺は副キャプテンのガンマンピラとキャッチャーのネランカを呼び、アミラの精神状態の不安定さを話した上で上手くサポートしてやってくれと話した。

不安は残るけど、やるっきゃない。

試合が始まる。

後攻めのスリランカチーム。

初回、全力投球なのがわかるぐらいアミラは飛ばす。

初回は三者凡退。

調子は良さそうだ。

しかし、きっとこのペースのままで行くだろうと思い、チンタカとポーニに回を見ながら肩をつくっておくように指示を出す。

初回、それまで不調だったシャーリタにやっと一本が出る。

このうまく打線が繋がり、1点を先制!! Srilanka_03

Srilanka_04 2回、アミラは香港に一点を返される。

しかし2回に2点、3回には3点を追加し、6-1。

大きくリードをする。

Srilanka_06Srilanka_08Srilanka_05 アミラも5回まではテンポよく投げ、追加点を許さない。

Srilanka_01 しかし、疲れが見えてきた7回まず1点を取られ7-2。

Srilanka_11 更にフォアボールやデッドボール、ヒットなどでノーアウト満塁。

アウト一つ一つとって凌いでいきたい所だが、守備のミスやなどで7-5とうとう2点差まで追い上げられてしまった。

疲れの見えてきたアミラにもはや抑える力はない。

ここは俺のミスだった。

フォアボールが出た時点でチンタカに継投するべきだった。

Srilanka_10 ワンテンポ遅いチンタカへの継投。

しかし、そのチンタカが好リリーフを見せる。

ノーアウト満塁を犠牲フライの1点だけに抑え、ピンチを凌いだ。

次の回もピンチを迎えるものの0点に抑え、6-5のまま9回へ。

9回先頭バッターをフォアボールで出し、続くバッターは討ち取ったものの、ヒットを許し1アウト1・3塁。

続く打者は三振。

ツーアウト1・3塁!!

あと一人!!!

Srilanka_09 打者も粘る。

打てば殊勲賞だ。

粘りに粘ってカウント2-3。

ネランカが要求したのは内角へのストレート。

チンタカが渾身の力を込めて投げる!!

ズバッ!!!!!!!!

一瞬間ができる。

ストライクか?ボールか??

一秒が一分に感じられるくらいの間。

思わずチンタカがマウンドを駆け下りる。 Srilanka_13

誰もがボールなのか??と思った瞬間、主審の手が上がある!!

「ストライク!!!!ゲームセット!!!!」

勝った!!!

勝ったんだ!!!!!!!!

夢ではない、本当に勝ったんだ!!!

グラウンドで大喜びする選手達。

スリランカ野球史上初のメダル獲得だ!!!!

大きな、大きな一歩を踏み出したのだ。

嬉し泣きする選手達が俺の元へ駆け寄ってくる、胴上げだ!!!

まるで優勝したかのような盛り上がり方!!!!!

何回宙に舞っただろうか??

忘れられない瞬間。

嬉しくて、嬉しくてたまらない瞬間だった。

挨拶を終え、ベンチを決勝戦に臨むパキスタンチームに明け渡した。

パキスタンの選手達が祝福してくれたのも嬉しかった。

ベンチを出ると、インドネシアの試合前にもかかわらず野中さんがわざわざ祝福しに来てくれた。これも嬉しかった!!

Srilanka_14Srilanka_15 ベンチの外に出ると、選手達が大泣き。よっぽど嬉しかったんだろう。

だって、今までで一番練習して、一番いい結果を残せたのだから。

またもや大泣きしながら選手達が駆け寄ってくる。

それまで涙が出なかった俺だけど、選手達に抱きしめられると、どっと涙が溢れ出てきた。生まれて初めての嬉し涙。

一生忘れられない瞬間となった。

それもこれも、素晴らしい選手達がいてくれたお陰だ。

彼らがいなかったら、有り得なかったこの瞬間。

嬉しすぎてきっとそれが溢れ出たんだろう。

JICAの応援してくれた仲間とも喜びを分かち合う。

最高の瞬間だった。

日本にいるごうしろうさんやスジーワ、植田さんへも連絡をする。

もちろん相方にも連絡する。

この喜びを沢山の人たちに伝えたかった。

だって沢山の人たちが支えてくれたお陰で、ここまでやってこれたのだから。

自分の力なんてちっぽけなもの。

でもここまでできたのはそのちっぽけな力に大きな勇気と力を与えてくれる仲間がいたからだ!!!

ありがとう、本当にありがとう!!!!!!

決勝戦はインドネシア対パキスタン。

インドネシアが守り勝つか、パキスタンが力でねじ伏せるか?

再三のピンチをインドネシアは好守で切り抜け、流れを引き込む。

最終的にはインドネシアが逆転、3-2でパキスタンを下し、日本で行われるアジアチャンピオンシップへの切符を手に入れたのだった。

Img_4537 閉会式。

三位の表彰台に上がれることは本当に嬉しくて、興奮していた。

メダルを首にかけてもらい、三位のカップを受け取ると、みんなでそれを回し写真を撮ったりと大はしゃぎ!!

結局最後までグラウンドに残っていたのはスリランカチームだった。

一体何枚の写真を撮ったのだろうか??

試合後に写真を集めるとものすごい数になっていた笑 終わった。

やっと終わった。

沢山の人たちに支えられ、ここまでやってこれた。

さあ、メダルをぶら下げてスリランカに帰国しよう。

胸を張って、誇りに思って!!

102_2030102_2031Teamphoto

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コメント

おめでとう!

投稿: | 2009年9月 1日 (火) 20時49分

ありがとうございます!!
これも皆さんの支えのお陰です!!!
本当にありがとうございます!!

投稿: URUSIX | 2009年10月28日 (水) 18時17分

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