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ラストチャンス!! ~熱い戦い78~

「情けない試合」

スリランカ野球史上初の国際大会、決勝トーナメント進出。

セミファイナルの相手はインドネシア。

アジアランク5位の強豪だ。

インドネシアの率いるのは、同じ日本人の野中さん。

それまでのインドネシアの戦いを見ていると守備のチームという印象が強かった。

投手陣はまとまった感じの投手が多く、コントロール重視。

守備はショートを中心としたチーム。

攻撃はランナーが出ればバントで送って、一点を確実に取っていくタイプのチーム。

バントが本当に上手で、しっかりと練習がされているチームのように感じた。

それとショートの子の守備がすごく上手くて、センスを感じ、野中さんともその話をしていた。

選手たちはいつもと変わらない様子。

でもこのいつもと変わらない様子が実は物足りないものでもあった。

スリランカ人のいつもと変わらない様子というのは、のんびりしていて、試合前も気楽な感じで、リラックスし過ぎている所。

だからピンチに弱い。

普段からゆるい感じだから、緊張ということに慣れていない。

常にプレッシャーを感じろとは言わないけど、でもしっかりと気を締めるときは締めるということが試合には必要だ。

野球を一年中するのではないのだから、このタイの大会の間だけでも野球だけに集中して欲しいものだ。

前日は中日で休みが取れたのだけれど、選手の頭の中は買い物のことで一杯。

お酒も飲みたい。

そんな気持ちで一杯だった。

実際、前日にインドネシアについて気にする選手は誰もいない。

ビデオを撮っていたのだから、それを見て対策を立てるだとか、それまでの試合で弱点になった部分を少しでも改善するだとか、そういう気持ちになる選手はいないのである。

自発的にそういうことをする選手を求めていたので、あえて何も言わず、休みの日に俺はビデオを見て研究した。

それを気にして唯一やってきたのはネランカ。

ネランカにインドネシアの投手の傾向、打者の傾向を伝えた。

でもそれだけだ。

さて、そんな状態でインドネシアにしっかりと太刀打ちできるだろうか??

野球はそんなに甘くない。

それを知ることも経験だ。

勝っても負けても、このことは選手達に伝えておこうと思った。

初めて先攻で始まった試合。

相手投手はコントロールはいいとはいえ、決して打てない投手ではない。

しかし、拙攻が続き序盤になかなか得点ができず、ついには6回まで0点に抑えられてしまった。

守りのほうは一回から脆さが顕著に出てしまった。

先発のアミラは恐らく研究されていただろう。

自信のあるスライダーをことごとく打たれてしまう。

インドネシアは守備のチームといっても準決勝に残るだけあるチームあって、甘い球は逃さない。

攻撃も徹底されていた。

アミラは調子が悪かったとはいえ、スライダーを打たれ、そして野手のミスも重なり、36失点KO。

チンタカへ早い段階の継投となった。

しかし、そのチンタカが好投。

パキスタン戦での汚名返上と言わんばかりに、インドネシア打線に追加点を与えない。

この好投に応えたい打線だけど、ちぐはぐな攻撃が続く。

サインを出してないのに走ったり、スライディングをせずにアウトになったり。

送りバントのサインを出せば、下手くそなくせにセーフティバントをやって失敗するし、ボロボロだった。

やっと反撃できたのは7回。

連打で3点を返す。

しかし、その裏にインドネシアにスクイズを決められ3-7と差は4点。

8回には1点を返したが、それまで。

結果4-7と敗れ、優勝の夢は潰えてしまった。

3点差といい勝負に見えるが、内容は全く雲泥の差。

大きな実力差があった。

スコアでしか判断できないスリランカ人にはわからないと思うが・・・

試合後選手たちは泣いていた。

よっぽど悔しかったのだろう。

しかし、俺は悔しさや悲しみよりも、恥ずかしさと憤りで一杯だった。

正直選手達が泣いているのを見て、「何で泣いてるんだろう??泣いてるんじゃねーよ」って思うほどだった。

自分達で首を絞め、勝手に焦り自滅。

普段の力の半分も出ていない、情けない試合。

正直、泣く資格なんてねー!!!

いつもの「試合になったから興奮して周りが見えませんでした」という試合・・・・いつまでたってもそんなレベルなのか!?

試合後のミーティング。

「正直、お前達が今回の試合で泣けるなんてびっくりだ。恥ずかしくないのか?誰が普段通り力を出せた?せいぜいチンタカとプラディープくらいだ。」

そう、前回の試合で直訴し試合から外れていたプラディープは3打数2安打、二本の二塁打の活躍。

チンタカは5回一失点の好投。

「前日にこの日のために準備をしたものが一体何人いるだろうか??インドネシアの試合に向けて何かしら対策を練ったものはいただろうか??前日にビデオを見て俺が研究しているのを知っているにも関わらず聞いてきたのはネランカだけだ。その時点で今日の結果は目に見えていた。お前らに泣く資格はない。俺は恥ずかしいよ、こんな試合で。負けて学べることもある。これを変えずにいるのなら、スリランカ野球も先が見えているな。明日の香港戦、メダルを獲れるか獲れないかの大事な試合。お前らの本気を見せてくれ。」

黙って聞いている選手達。

泣いても笑っても、明日の3位決定戦が最後の試合。

もう信じるしかない。

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