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ラストチャンス!! ~熱い戦い77~

「快挙」

5月27日、大会三日目。
前日のパキスタン戦10-0と完敗し、迎える3戦目はマレーシア戦。

この試合に勝つことによって、グループ2位通過がぐっと近づく。

しかし、スリランカがマレーシアに勝ったとしても、パキスタンがタイに負けると、得失点差によっては決勝トーナメントに進めなくなってしまう。

タイはマレーシアに16-0で勝っている。

パキスタンは20-0でマレーシアに勝っている。

スリランカが2位で自力通過する条件は、16点差をマレーシアにつけて勝つこと。

他力本願ならばうちがマレーシアに勝ってパキスタンがタイに勝つこと。

いずれにしても勝たなければ、望みは無くなるのだ。

そして、試合・・・・とその前に、前日の夜の試合後のミーティングでの出来事を残しておきたい。

この選手の名前覚えていますか??

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覚えてください、“プラディープ”。

スリランカ南にあるゴールという都市出身の選手。

今はコロンボにある銀行で働いている、優秀な選手です。

彼は現在銀行のクリケットチームにも所属し、主力選手として活躍している。

貧弱な体の選手が多い中で彼はだいぶ体格もいいし、足も速い!!

パワーも四番サミーラ以上。

身体能力に長けている才能ある選手。

ただ、ちょっと荒削りで不器用なんだけど。

だから守備で不安のある彼にはファーストやキャッチャーでもちょっと・・・ってところがあったので、この大会はバッティングで期待しDHで起用。

しかし一本が出ない。

正直彼はブレーキになることが多かった。

(といっても、この大会一番のシャーリタと三番のナウィーンもブレーキになっていたのだけど・・・・。)

マレーシア戦前日、ミーティングが終わりみんなが解散すると元気なさげにプラディープがやってきてこう話した。

「サー、この二試合、自分は一本も打てなかった。チャンスも何回も潰した。チームの迷惑になっている。だから次の試合から俺を外してください。」

正直、俺はこの手の嘆願が嫌いである。
絶対に俺はそんなこと言いたくないからだ。

絶対調子悪くても何とかして調子を取り戻す努力が必要だし、他の選手に比べて能力に優れているから試合に起用しているわけであるし、ましてやこんな最高の舞台でチャンスを放棄するなんて!!!!

ただし、日本にいたらの話だ。

だって、こう言っちゃなんだが、スリランカで野球選手の多くは、人の話を聞かない(悪気があってじゃなくて考えてなくて忘れてしまう)選手も多いし、自分勝手な選手(日本の野球から見たら)も結構いる。

もちろんいい選手も沢山いるけど、チームのためを思って、こうして欲しいって言ってきた選手なんて初めてだったからだ!!!!

なんだか、俺も嬉しさと、同情じゃないけど泣いているプラディープを見ていたら、

「なんて、男気のあるやつなんだ!!!!!」と感動した。

「わかった。でも次のマレーシア戦だけ、お前を外す。俺はお前の打撃が魅力で起用しているし、情けで起用しているわけでない。プラディープが打てないならしょうがない!!誰もお前を責めたりなんかしない。そう思って起用している。だから次のマレーシア戦外から試合を見てその間に切り替えて何とかスランプを克服して見せろ!!素振りでも何でもいい、とにかくバットを振って、沢山打っているところをイメージするんだ。お前ならやれる。それにお前の一発が魅力的で俺は起用してるんだから、三振してもいい、常にフルスイングするんだ!!!昔、日本のプロ野球選手に池山という・・・・(省略)スリランカのブンブン丸はお前しかいない!!!いつでも相談にのるから。」

俺も少し、感動して涙がのぼってきたけど、ぐっとこらえて、泣いているプラディープの肩を叩いた。

きっとプラディープは試合で打つ!!!そう思った。

話は戻り、マレーシア戦。

翌日は休みで、そして決勝トーナメントに進んだことも考えて、アミラを調整登板のつもりで先発にする。

序盤に差がついたところで、ポーニへの継投を考えていた。

理想は5回コールド。

そのくらい力の差があると考えていたからだ。

前日のプラディープとの件もあり、DHにはアカランカ。

この日、スリランカから更に応援団が駆けつけてくれた。

同期のねぎちゃん、モル、そしてどんちゃんとアユ。

ここに屋敷さん、りささん、ナンギを加え、JOCV応援団がパワーアップ!!!

更にスジーワも加えて計8人。

残念ながら剛史郎さんは仕事の都合上前日に日本に帰国。

とにかくいい報告ができるようにと、この試合を真っ直ぐ見つめる!!

アミラの球は・・・・正直いまいち。

しかし、要所要所を抑えて、点数を与えない。

問題は打線だった。

相手左腕は超軟投派。

山なりのスローボールのような真っ直ぐ。

しかし、この球をとらえることができない!!

全て打ち上げてしまうのだ。

マレーシアは守備もさほど上手くはないし、転がせばミスが出るチーム。

しかし、フライなら確実にキャッチする!!!!

結局、5回まで0-0といい勝負をしてしまった。

この時点で自力突破は無くなり、逆で行われている試合の結果に賭けることとなった。

その前にこの試合も危うい!?

やっと点数入れたのが6回。

アミラは結局6回投げ、予想以上の球数となってしまった。

四球が多かった。

継投したポーニは9回にこそ点をとられるも、結局9-1で勝利。

正直、この試合は課題が残りまくった。

何と言っても打撃だ。

さて、試合終了後タイ-パキスタンの試合を見に行くと、何と3-3の同点ではないか!

タイも意地を見せパキスタンに食らいつく。

「このままだとわからんぞ・・・・」

しかし、最終的には7回にパキスタンがタイを引き離し、7-4で勝利。

何とかスリランカも決勝トーナメント進出を決めたのでした。

大喜びのスリランカ。

だって、スリランカ野球始まって以来の快挙だから!!!

そりゃ嬉しいのもわかるけど、でも優勝したわけでないし。まだまだ内容がよくないし、不安も残る。

決勝トーナメントは、Bグループ一位通過の野中監督率いるインドネシア。

このチームはなんてたって、野手の守備がいいし、バントやエンドランができるチーム。

今までと対戦した中でもタイプの違うチームだ。

「勝機はきっとある!!!」

そう思いながら、次の試合のことを考え始めていたのでした。

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