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2009年8月

ラストチャンス!! ~熱い戦い79~

「決戦」

前日の敗戦から一夜過ぎ、とうとう最後の試合を迎える日。

対戦相手は香港。

3位決定戦だ。

これに勝てばスリランカ野球史上初のメダル獲得になる。

メダルを持って帰るのと、もって帰らないのでは絶対違う。

だからこの試合は絶対に負けられない試合なんだ・・・・。

前日の様子を見ていると、選手達も何かを感じてくれたのか、それぞれができることをやってくれていた。

素振りをするもの、ビデオを見て研究するもの、体を休めていつもよりも早めに寝るものといった感じだったろうか。

俺たちの試合は第一試合。

先発は泣いても笑っても後悔だけはしないように、一番信頼できる投手アミラ。

オーダーは大きく変更せず。

実際は大会中不調のガンマンピラに代えてカルーにしようかとも考えたが、そのままにしておいた。

さあ、ウォーミングアップ。

しかし、様子がおかしい選手が一人。アミラだ。

昨日の試合後から全く元気も無い。

完全に前日の敗戦を引きずっていた。

キャプテンでもあり、先発でもあるアミラ。このままではだめだろうと思い、ウォームアップの途中で呼び出す。

「どうしたんだ?そんな状態じゃどうにもならんぞ?お前はキャプテンとしての自覚があるのか??」

暫く間が空く。

アミラの目には涙が。

おいおいおい、子供じゃねーんだから頼むぜ。

くして、アミラは重い口を開く。

「今日の試合で自分は最後にしようと思います。だからそれが悲しくて悲しくて・・・・」

その言葉にちょっとカッチーンと来た俺。

「お前がこの試合で最後にしようがしまいがお前の勝手だけど、明らかにそんな落ち込んだ状態では結果が残せるとは思えない。大体この試合はお前の引退試合のために用意したわけじゃない!!!選手一人ひとりがスリランカの国旗を背負って戦っているんだ。お前一人がそんな勝手なことを考えているなら、今すぐオーダーを変える。切り替えてできるのかできないのかはっきりしろ!!!!」

また沈黙。

アミラは涙を流す。

暫くして、アミラが「できます」そう答えた。

すぐに俺は副キャプテンのガンマンピラとキャッチャーのネランカを呼び、アミラの精神状態の不安定さを話した上で上手くサポートしてやってくれと話した。

不安は残るけど、やるっきゃない。

試合が始まる。

後攻めのスリランカチーム。

初回、全力投球なのがわかるぐらいアミラは飛ばす。

初回は三者凡退。

調子は良さそうだ。

しかし、きっとこのペースのままで行くだろうと思い、チンタカとポーニに回を見ながら肩をつくっておくように指示を出す。

初回、それまで不調だったシャーリタにやっと一本が出る。

このうまく打線が繋がり、1点を先制!! Srilanka_03

Srilanka_04 2回、アミラは香港に一点を返される。

しかし2回に2点、3回には3点を追加し、6-1。

大きくリードをする。

Srilanka_06Srilanka_08Srilanka_05 アミラも5回まではテンポよく投げ、追加点を許さない。

Srilanka_01 しかし、疲れが見えてきた7回まず1点を取られ7-2。

Srilanka_11 更にフォアボールやデッドボール、ヒットなどでノーアウト満塁。

アウト一つ一つとって凌いでいきたい所だが、守備のミスやなどで7-5とうとう2点差まで追い上げられてしまった。

疲れの見えてきたアミラにもはや抑える力はない。

ここは俺のミスだった。

フォアボールが出た時点でチンタカに継投するべきだった。

Srilanka_10 ワンテンポ遅いチンタカへの継投。

しかし、そのチンタカが好リリーフを見せる。

ノーアウト満塁を犠牲フライの1点だけに抑え、ピンチを凌いだ。

次の回もピンチを迎えるものの0点に抑え、6-5のまま9回へ。

9回先頭バッターをフォアボールで出し、続くバッターは討ち取ったものの、ヒットを許し1アウト1・3塁。

続く打者は三振。

ツーアウト1・3塁!!

あと一人!!!

Srilanka_09 打者も粘る。

打てば殊勲賞だ。

粘りに粘ってカウント2-3。

ネランカが要求したのは内角へのストレート。

チンタカが渾身の力を込めて投げる!!

ズバッ!!!!!!!!

一瞬間ができる。

ストライクか?ボールか??

一秒が一分に感じられるくらいの間。

思わずチンタカがマウンドを駆け下りる。 Srilanka_13

誰もがボールなのか??と思った瞬間、主審の手が上がある!!

「ストライク!!!!ゲームセット!!!!」

勝った!!!

勝ったんだ!!!!!!!!

夢ではない、本当に勝ったんだ!!!

グラウンドで大喜びする選手達。

スリランカ野球史上初のメダル獲得だ!!!!

大きな、大きな一歩を踏み出したのだ。

嬉し泣きする選手達が俺の元へ駆け寄ってくる、胴上げだ!!!

まるで優勝したかのような盛り上がり方!!!!!

何回宙に舞っただろうか??

忘れられない瞬間。

嬉しくて、嬉しくてたまらない瞬間だった。

挨拶を終え、ベンチを決勝戦に臨むパキスタンチームに明け渡した。

パキスタンの選手達が祝福してくれたのも嬉しかった。

ベンチを出ると、インドネシアの試合前にもかかわらず野中さんがわざわざ祝福しに来てくれた。これも嬉しかった!!

Srilanka_14Srilanka_15 ベンチの外に出ると、選手達が大泣き。よっぽど嬉しかったんだろう。

だって、今までで一番練習して、一番いい結果を残せたのだから。

またもや大泣きしながら選手達が駆け寄ってくる。

それまで涙が出なかった俺だけど、選手達に抱きしめられると、どっと涙が溢れ出てきた。生まれて初めての嬉し涙。

一生忘れられない瞬間となった。

それもこれも、素晴らしい選手達がいてくれたお陰だ。

彼らがいなかったら、有り得なかったこの瞬間。

嬉しすぎてきっとそれが溢れ出たんだろう。

JICAの応援してくれた仲間とも喜びを分かち合う。

最高の瞬間だった。

日本にいるごうしろうさんやスジーワ、植田さんへも連絡をする。

もちろん相方にも連絡する。

この喜びを沢山の人たちに伝えたかった。

だって沢山の人たちが支えてくれたお陰で、ここまでやってこれたのだから。

自分の力なんてちっぽけなもの。

でもここまでできたのはそのちっぽけな力に大きな勇気と力を与えてくれる仲間がいたからだ!!!

ありがとう、本当にありがとう!!!!!!

決勝戦はインドネシア対パキスタン。

インドネシアが守り勝つか、パキスタンが力でねじ伏せるか?

再三のピンチをインドネシアは好守で切り抜け、流れを引き込む。

最終的にはインドネシアが逆転、3-2でパキスタンを下し、日本で行われるアジアチャンピオンシップへの切符を手に入れたのだった。

Img_4537 閉会式。

三位の表彰台に上がれることは本当に嬉しくて、興奮していた。

メダルを首にかけてもらい、三位のカップを受け取ると、みんなでそれを回し写真を撮ったりと大はしゃぎ!!

結局最後までグラウンドに残っていたのはスリランカチームだった。

一体何枚の写真を撮ったのだろうか??

試合後に写真を集めるとものすごい数になっていた笑 終わった。

やっと終わった。

沢山の人たちに支えられ、ここまでやってこれた。

さあ、メダルをぶら下げてスリランカに帰国しよう。

胸を張って、誇りに思って!!

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ラストチャンス!! ~熱い戦い78~

「情けない試合」

スリランカ野球史上初の国際大会、決勝トーナメント進出。

セミファイナルの相手はインドネシア。

アジアランク5位の強豪だ。

インドネシアの率いるのは、同じ日本人の野中さん。

それまでのインドネシアの戦いを見ていると守備のチームという印象が強かった。

投手陣はまとまった感じの投手が多く、コントロール重視。

守備はショートを中心としたチーム。

攻撃はランナーが出ればバントで送って、一点を確実に取っていくタイプのチーム。

バントが本当に上手で、しっかりと練習がされているチームのように感じた。

それとショートの子の守備がすごく上手くて、センスを感じ、野中さんともその話をしていた。

選手たちはいつもと変わらない様子。

でもこのいつもと変わらない様子が実は物足りないものでもあった。

スリランカ人のいつもと変わらない様子というのは、のんびりしていて、試合前も気楽な感じで、リラックスし過ぎている所。

だからピンチに弱い。

普段からゆるい感じだから、緊張ということに慣れていない。

常にプレッシャーを感じろとは言わないけど、でもしっかりと気を締めるときは締めるということが試合には必要だ。

野球を一年中するのではないのだから、このタイの大会の間だけでも野球だけに集中して欲しいものだ。

前日は中日で休みが取れたのだけれど、選手の頭の中は買い物のことで一杯。

お酒も飲みたい。

そんな気持ちで一杯だった。

実際、前日にインドネシアについて気にする選手は誰もいない。

ビデオを撮っていたのだから、それを見て対策を立てるだとか、それまでの試合で弱点になった部分を少しでも改善するだとか、そういう気持ちになる選手はいないのである。

自発的にそういうことをする選手を求めていたので、あえて何も言わず、休みの日に俺はビデオを見て研究した。

それを気にして唯一やってきたのはネランカ。

ネランカにインドネシアの投手の傾向、打者の傾向を伝えた。

でもそれだけだ。

さて、そんな状態でインドネシアにしっかりと太刀打ちできるだろうか??

野球はそんなに甘くない。

それを知ることも経験だ。

勝っても負けても、このことは選手達に伝えておこうと思った。

初めて先攻で始まった試合。

相手投手はコントロールはいいとはいえ、決して打てない投手ではない。

しかし、拙攻が続き序盤になかなか得点ができず、ついには6回まで0点に抑えられてしまった。

守りのほうは一回から脆さが顕著に出てしまった。

先発のアミラは恐らく研究されていただろう。

自信のあるスライダーをことごとく打たれてしまう。

インドネシアは守備のチームといっても準決勝に残るだけあるチームあって、甘い球は逃さない。

攻撃も徹底されていた。

アミラは調子が悪かったとはいえ、スライダーを打たれ、そして野手のミスも重なり、36失点KO。

チンタカへ早い段階の継投となった。

しかし、そのチンタカが好投。

パキスタン戦での汚名返上と言わんばかりに、インドネシア打線に追加点を与えない。

この好投に応えたい打線だけど、ちぐはぐな攻撃が続く。

サインを出してないのに走ったり、スライディングをせずにアウトになったり。

送りバントのサインを出せば、下手くそなくせにセーフティバントをやって失敗するし、ボロボロだった。

やっと反撃できたのは7回。

連打で3点を返す。

しかし、その裏にインドネシアにスクイズを決められ3-7と差は4点。

8回には1点を返したが、それまで。

結果4-7と敗れ、優勝の夢は潰えてしまった。

3点差といい勝負に見えるが、内容は全く雲泥の差。

大きな実力差があった。

スコアでしか判断できないスリランカ人にはわからないと思うが・・・

試合後選手たちは泣いていた。

よっぽど悔しかったのだろう。

しかし、俺は悔しさや悲しみよりも、恥ずかしさと憤りで一杯だった。

正直選手達が泣いているのを見て、「何で泣いてるんだろう??泣いてるんじゃねーよ」って思うほどだった。

自分達で首を絞め、勝手に焦り自滅。

普段の力の半分も出ていない、情けない試合。

正直、泣く資格なんてねー!!!

いつもの「試合になったから興奮して周りが見えませんでした」という試合・・・・いつまでたってもそんなレベルなのか!?

試合後のミーティング。

「正直、お前達が今回の試合で泣けるなんてびっくりだ。恥ずかしくないのか?誰が普段通り力を出せた?せいぜいチンタカとプラディープくらいだ。」

そう、前回の試合で直訴し試合から外れていたプラディープは3打数2安打、二本の二塁打の活躍。

チンタカは5回一失点の好投。

「前日にこの日のために準備をしたものが一体何人いるだろうか??インドネシアの試合に向けて何かしら対策を練ったものはいただろうか??前日にビデオを見て俺が研究しているのを知っているにも関わらず聞いてきたのはネランカだけだ。その時点で今日の結果は目に見えていた。お前らに泣く資格はない。俺は恥ずかしいよ、こんな試合で。負けて学べることもある。これを変えずにいるのなら、スリランカ野球も先が見えているな。明日の香港戦、メダルを獲れるか獲れないかの大事な試合。お前らの本気を見せてくれ。」

黙って聞いている選手達。

泣いても笑っても、明日の3位決定戦が最後の試合。

もう信じるしかない。

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ラストチャンス!! ~熱い戦い77~

「快挙」

5月27日、大会三日目。
前日のパキスタン戦10-0と完敗し、迎える3戦目はマレーシア戦。

この試合に勝つことによって、グループ2位通過がぐっと近づく。

しかし、スリランカがマレーシアに勝ったとしても、パキスタンがタイに負けると、得失点差によっては決勝トーナメントに進めなくなってしまう。

タイはマレーシアに16-0で勝っている。

パキスタンは20-0でマレーシアに勝っている。

スリランカが2位で自力通過する条件は、16点差をマレーシアにつけて勝つこと。

他力本願ならばうちがマレーシアに勝ってパキスタンがタイに勝つこと。

いずれにしても勝たなければ、望みは無くなるのだ。

そして、試合・・・・とその前に、前日の夜の試合後のミーティングでの出来事を残しておきたい。

この選手の名前覚えていますか??

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覚えてください、“プラディープ”。

スリランカ南にあるゴールという都市出身の選手。

今はコロンボにある銀行で働いている、優秀な選手です。

彼は現在銀行のクリケットチームにも所属し、主力選手として活躍している。

貧弱な体の選手が多い中で彼はだいぶ体格もいいし、足も速い!!

パワーも四番サミーラ以上。

身体能力に長けている才能ある選手。

ただ、ちょっと荒削りで不器用なんだけど。

だから守備で不安のある彼にはファーストやキャッチャーでもちょっと・・・ってところがあったので、この大会はバッティングで期待しDHで起用。

しかし一本が出ない。

正直彼はブレーキになることが多かった。

(といっても、この大会一番のシャーリタと三番のナウィーンもブレーキになっていたのだけど・・・・。)

マレーシア戦前日、ミーティングが終わりみんなが解散すると元気なさげにプラディープがやってきてこう話した。

「サー、この二試合、自分は一本も打てなかった。チャンスも何回も潰した。チームの迷惑になっている。だから次の試合から俺を外してください。」

正直、俺はこの手の嘆願が嫌いである。
絶対に俺はそんなこと言いたくないからだ。

絶対調子悪くても何とかして調子を取り戻す努力が必要だし、他の選手に比べて能力に優れているから試合に起用しているわけであるし、ましてやこんな最高の舞台でチャンスを放棄するなんて!!!!

ただし、日本にいたらの話だ。

だって、こう言っちゃなんだが、スリランカで野球選手の多くは、人の話を聞かない(悪気があってじゃなくて考えてなくて忘れてしまう)選手も多いし、自分勝手な選手(日本の野球から見たら)も結構いる。

もちろんいい選手も沢山いるけど、チームのためを思って、こうして欲しいって言ってきた選手なんて初めてだったからだ!!!!

なんだか、俺も嬉しさと、同情じゃないけど泣いているプラディープを見ていたら、

「なんて、男気のあるやつなんだ!!!!!」と感動した。

「わかった。でも次のマレーシア戦だけ、お前を外す。俺はお前の打撃が魅力で起用しているし、情けで起用しているわけでない。プラディープが打てないならしょうがない!!誰もお前を責めたりなんかしない。そう思って起用している。だから次のマレーシア戦外から試合を見てその間に切り替えて何とかスランプを克服して見せろ!!素振りでも何でもいい、とにかくバットを振って、沢山打っているところをイメージするんだ。お前ならやれる。それにお前の一発が魅力的で俺は起用してるんだから、三振してもいい、常にフルスイングするんだ!!!昔、日本のプロ野球選手に池山という・・・・(省略)スリランカのブンブン丸はお前しかいない!!!いつでも相談にのるから。」

俺も少し、感動して涙がのぼってきたけど、ぐっとこらえて、泣いているプラディープの肩を叩いた。

きっとプラディープは試合で打つ!!!そう思った。

話は戻り、マレーシア戦。

翌日は休みで、そして決勝トーナメントに進んだことも考えて、アミラを調整登板のつもりで先発にする。

序盤に差がついたところで、ポーニへの継投を考えていた。

理想は5回コールド。

そのくらい力の差があると考えていたからだ。

前日のプラディープとの件もあり、DHにはアカランカ。

この日、スリランカから更に応援団が駆けつけてくれた。

同期のねぎちゃん、モル、そしてどんちゃんとアユ。

ここに屋敷さん、りささん、ナンギを加え、JOCV応援団がパワーアップ!!!

更にスジーワも加えて計8人。

残念ながら剛史郎さんは仕事の都合上前日に日本に帰国。

とにかくいい報告ができるようにと、この試合を真っ直ぐ見つめる!!

アミラの球は・・・・正直いまいち。

しかし、要所要所を抑えて、点数を与えない。

問題は打線だった。

相手左腕は超軟投派。

山なりのスローボールのような真っ直ぐ。

しかし、この球をとらえることができない!!

全て打ち上げてしまうのだ。

マレーシアは守備もさほど上手くはないし、転がせばミスが出るチーム。

しかし、フライなら確実にキャッチする!!!!

結局、5回まで0-0といい勝負をしてしまった。

この時点で自力突破は無くなり、逆で行われている試合の結果に賭けることとなった。

その前にこの試合も危うい!?

やっと点数入れたのが6回。

アミラは結局6回投げ、予想以上の球数となってしまった。

四球が多かった。

継投したポーニは9回にこそ点をとられるも、結局9-1で勝利。

正直、この試合は課題が残りまくった。

何と言っても打撃だ。

さて、試合終了後タイ-パキスタンの試合を見に行くと、何と3-3の同点ではないか!

タイも意地を見せパキスタンに食らいつく。

「このままだとわからんぞ・・・・」

しかし、最終的には7回にパキスタンがタイを引き離し、7-4で勝利。

何とかスリランカも決勝トーナメント進出を決めたのでした。

大喜びのスリランカ。

だって、スリランカ野球始まって以来の快挙だから!!!

そりゃ嬉しいのもわかるけど、でも優勝したわけでないし。まだまだ内容がよくないし、不安も残る。

決勝トーナメントは、Bグループ一位通過の野中監督率いるインドネシア。

このチームはなんてたって、野手の守備がいいし、バントやエンドランができるチーム。

今までと対戦した中でもタイプの違うチームだ。

「勝機はきっとある!!!」

そう思いながら、次の試合のことを考え始めていたのでした。

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ラストチャンス!! ~熱い戦い76~

「力の差」

7月26日、前日のタイ戦での勝利に酔いしれてる暇はない。

2戦目は優勝候補パキスタン。

前回のアジアカップではぼろ負けしている相手なだけに、選手たちにも妙な苦手意識があるようで、どことなく緊張感がいつもと違う。

このパキスタンチーム、めっちゃ体格が良くて、そしていかにもパワーのチームといった風貌をしている。

さて、どこまで食らいついていけるだろうか・・・・。

選手たちは皆、「パキスタンの一発が怖い」と口を揃えて言っていたが、自分の見解は違った。

選手たちにミーティングで、「確かにパワーやスピードがあるかもしれないけど、一発狙いだったらそれほど楽なことはない。怖いのはそんな力のある選手たちがコツコツと当ててくること。どんな攻撃をしてきても一球一球集中してアウトをとっていこう。耐えてればチャンスはやってくる。」

前回の大会と違ってバットが金属バットから木製バットになり、つまってしまえばあまり飛ばない。

金属ならつまっても運べた打球が今回は運べない、そう思った。

先発は予定通りチンタカ。

このチンタカという投手、実はアミラよりも才能がある選手と俺は見ている。

長身から繰り出す直球はアミラ以上の球速で、アミラの得意とするスライダーのようなキレのあるスライダーを投げれる。

また、結構器用で、シュート、フォークボールと変化球が多彩だ。

ただし、コントロールと安定感がないことから、どうも信頼感を勝ち得ない。

しかし、いずれかはスリランカナショナルチームでエースになって欲しい人材。

なので、このパキスタン戦で経験を得て、自信をつけてくれればと思い送り出した。

試合開始。

初回、いきなり先制されてしまう。

エラーがきっかけだった。

セカンドのガンマンピラの動きがいつもと違う。

ガンマンだけじゃない、殆どの野手が自分の実力の半分も出せていなかった。

初回に一気に4点をエラーと適時打で献上。

チンタカのボールは決して悪くなかった。

そして何よりもパキスタンチームの攻撃のスタイルだった。

彼らは誰一人としてバットを長く持っていない。

皆一握りくらい短く持ち、ボールを捕らえることに徹していたのだ。

そして打つ打球は皆ライナーかゴロ。

打ち上げる打者なんて一人もいなかった。

そう、彼らは木製バットに上手く対応したのだ。

それに比べてスリランカチームはどうか??

パキスタンチームは明らかに速球派。

しかし、バットを短く持って、打席の後ろに立って対応しようと試合前に確認したにも関わらず、徹底していのはネランカとスプーンぐらいではないか。

逆に相手チームはそこを徹底している。

三振の山だった。

先制され、エラーが止まらず、失点は積み重なるばかり。

チンタカが気の毒なくらい、バックのサポートがなかったと思う。

そこで投手を4回からポーニに交代。

ポーニにとって初めての国際大会の舞台だ。

ポーニは自分が初めて見た時から目をつけていた選手。

ボールの出所が見づらく、球持ちもいい。

そして、変化球が多彩な軟投派。

急成長を遂げ、チームになくてはならない存在の一人になっていた。

パキスタンという強豪相手だったので相当緊張していたに違いない。

実際試合後、そう話してくれた。

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そのポーニが好投する。

7-0のビハインドでの登板だったが4回から6回までを0失点!!!

パキスタンチームに的を絞らせないナイスピッチング!!!!

この好投に応えたい。

しかし、打てない・・・・。

最後はポーニも7回に3点をとられ10-0。

打線も3安打と抑えられ、3塁を踏めずにコールド負け。

力の差は歴然だった。

パキスタンのように力のあるチームに勝つためには徹底した作戦がが必要だ。

それを選手たちも痛感してくれた試合だった。

続く

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ラストチャンス!! ~熱い戦い75~

「一戦必勝!!この一球は絶対無二の一球なり」

5月25日、朝6時に目が覚める。

ホテルの部屋はクーラーで若干ひんやりしていたが、目を覚ますには丁度良い温度。

ベランダから見るタイの空・・・・太陽が照らして眩しい。

天気は晴れて、絶好の野球日和。

ついにこの日がやってきたのだ。

スリランカが派遣国に決まり、要請内容を調べて夢を抱いてから2年以上が経っていた。

「必ず、スリランカナショナルチームを率いて結果を残して、そしてスリランカの新たな野球の歴史を築いてやる!!!」

しかし、思い描いていた理想は現実の厳しさと予想外の状況にいつの間にか風化され、いつの間にか夢を忘れかけていた。

いつの日だったか、日本に帰ることを強く望み、また違う夢を探そうとも考えたことだってある。

でも多くの仲間や選手が支えてくれたお陰でスリランカで生活し続けることができた。

そんなある日、やっとチャンスがやってきた。

嬉しかった、そして必死だった。

何よりも選手がそれに応えてくれていたのが嬉しかった。

そして、いよいよそんな選手達と夢の舞台に立つ。。。。

初戦の相手はタイ。

優勝候補の一つ。

このタイ相手にスリランカは国際大会に参加してからU-18で一勝したきりで、残りの試合は一度も勝っていなかった。

前回の大会では序盤6-0とリードしていながらも、アミラがパキスタンの環境に適応できず体調を崩し試合中に倒れ途中降板、まさかの逆転負けを喫し、悔しい思いをした。

いつもネランカやアミラが悔しそうに話してくれた。

そして選手にとってもリベンジする機会がやってきた!!!!

自分はこのタイ戦こそが決勝トーナメントまで駒を進めれるかどうか鍵になる試合と思っていた。

「今までの対戦のイメージからしてタイは絶対油断している。アミラや他の選手たちを万全に仕上げておけば必ず勝てる!!」そう確信もしていた。

タイが初戦の相手と知った時から、タイ戦は先発がアミラ、パキスタンはチンタカと決めていた。

大会二週間前からそれをチームのメンバーには話し、アミラ、チンタカには細心の注意を払いながら調整をさせた。

アミラは前日投げた方が球が走るので香港との練習試合後、マウンドで軽く投げ込みをさせた。

走り込みやストレッチなどのトレーニングから食事まで、疲れが残らないように、そして試合では体がキレるようにアドバイスしながら準備を進めた。

準備は整った!!!!

会場に到着すると、開幕戦のミャンマーとカンボジアが試合をしている。

この試合をみながら更に気持が昂る。

そして、野球場で野球を見る久しぶりの感覚とここで野球ができるという喜びも感じていた。

選手もテンションが上がる!!!!

試合が終了し、開会式。

タイのムエタイの戦士が登場し、セレモニーを飾る。

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会場が一気に盛り上がる!!

そしていよいよ選手入場。

スリランカの選手たちはネランカが作った国旗を持ち、笑顔で行進。

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この後すぐに試合が控えているとは思えないくらいのリラックス。

さすがスリランカ人。

そしてスリランカ、タイ、インドネシア、ミャンマー、パキスタン、カンボジア、マレーシア、香港の全8チームが揃った。

この8チームで7月に成田で行われるアジア選手権への出場権をかけて争われる。

どのチームのどの選手もこの舞台で戦えることを嬉しく思いそこに立っていたに違いない。

だって、どの選手も笑顔ですがすがしい表情だったから。

舞台は整った。

開会式が終了し、いよいよ俺達の試合が始まる。

マネージャーのラジットが今大会予選3試合分のコイントスをする。

なんと全勝!!!

すべて後攻に決まる。

ついてるようだ!!!!

体をほぐすためにキャッチボールを終え、ベンチ前での軽いノック。

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そして、日本でもよく行われる、試合前のシートノック。

選手は動けてるか?緊張してないか??

一人一人の動きを確認しながら行う。

「大丈夫!あれだけ練習してきたじゃないか!!」そう言わんばかりの自信に満ちた表情。

「大丈夫だ!!!やれる!!!!」そう思った。

ノックが終わり、全員で集まり確認をする。

サインや積極的にいくことなど。

そして気合いを入れる。

「いいか?一球一球大切にするんだ!!今くる一球が次もくるとは思うな!!!全て全力だ!!!!」

この一球は絶対無二の一球なり!!!!

「うおおおお~!!!」選手たちも叫ぶ!!!!

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そして、我々は祈り誓った。

ガンマンピラがスリランカから持ってきた仏像と、スリランカ野球に初めてスポンサーとして協賛してくださったMARUSANのマネージャーの石田さん(大会が行われる前に病に倒れ亡くなられた)、そして昨年の2月に自爆テロで亡くなった野球の仲間達に全員で手を合せ勝利を誓う。

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さあ、試合開始だ!!!

ナインがポジションへと散らばる。

先発のアミラがキレのいい球を練習からネランカのミット目がけ投げる。

いよいよだ!!

「プレイボール!!!」

初球、「ストライク!!!」

ベンチも盛り上がる。

焦らず、ゆっくり落ち着いていけば大丈夫。

そう思いながらアミラを見守る。

アミラはテンポよくストライクを投げ込み、あっという間に一番打者を追い込む。

「そうだ!!!」

そして、スライダーに一番バッターのバットが空を切る!!!

三振!!!!

幸先のいいスタート!!!

リズムに乗り一回、危なげなく三者凡退。

続く一回裏、初回の攻撃。

序盤に畳みかける攻撃をして楽に試合を運びたい。

しかし、相手の左腕軟投派の投手も隙を与えない。

2回まで0点に抑えられる。

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負けじとアミラも3回を抑える。

「辛抱だ!!!」

そして、3回遂に打線に火が付く!!

それまでうまくかわされていた相手投手に対して、甘い球を見逃さず弾き返し、2点を先制!!!

2-0。

アミラも好投を続け、依然として点数を与えない。

6回、タイチームも投手交代。

継投策に出る。

しかし、その代わりッぱなを四番サミーラがライトオーバーの3ベース!!

あと50センチでホームランだった。

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しかし、相手投手も粘り、サミーラが帰ってこれない。

2アウト。

ダメかと思いきやその時、キャッチャーがパスボール。

3点目を追加。

3-0とリードを広げる。

タイチームもこのまま引き下がれない。

球威の落ちてきたアミラを攻め立て、1点を返す。

しかし、アミラもスライダーを巧みに使い、相手の反撃をかわす。

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そして3-1のまま最終回。

もうこのままアミラと心中するつもりで控えの投手にはいなかった。

1アウト、2アウトと積み重ね、そしてあと一人!!!

ベンチもハラハラしながら戦況を見つめる。

ツーストライクと追い込む。

タイも地元開催なだけに意地を見せたい。

そして、決め球はやはり、自信のあるスライダー!!!!

バットが回り、三振!!!!!!!

ベンチから選手やコーチが「わっ!!!!!」と叫び走っていく!!!

「勝った!!!!!!!!!!勝ったんだ!!!!!!!!!!!!!!!」

スリランカ野球の歴史に新たな一ページが刻まれた。

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しかし、これが終わりでない、始まったばかり。

そう言い聞かせるものの、嬉しさが溢れてきた。

間違いなく大きな一歩を踏み出したのだった。

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ラストチャンス!! ~熱い戦い74~

「手ごたえを掴む」

5月24日、この日は大会前日ということで球場練習が行われた。

タイの宿舎を9時に出発し、会場となるタイ唯一のスタジアムに向かう。

スタジアムと野球グラウンドの二つが近くにあり、我々の初戦はスタジアムの方だったので球場練習はスタジアムの方で行われ、グラウンドの方は香港チームの練習に使われた。

そしてこの日は、沢山の日本人の方たちが駆けつけてくださった。

任国外旅行を利用して駆けつけてくれたJICAの仲間、カルナンギ、やしきさん、りささん!!!

応援やサポートにきてくれてありがとう!!!

スリランカ、タイと出張にいらしていた、山中さん!!スリランカで松平さんに紹介していただいてから、都合が合わずお会いできなかったのだが、タイでお会いすることができた!!

そして、なんと、2代目隊員剛史郎さんと、スジーワ!!!

二人とも電話やメールではやりとりしていたのだが、会うのは今回が初めて!

感動でした!!!

さて、他の国がどのくらいのレベルなのか知っておきたいということと、試合の雰囲気に少しでも慣らしたいということがあったので、香港チームと話し合い、時間制限つきの試合をすることに。

先発メンバーは主力を最初は隠す形でスタート。

審判には剛史郎さんとスジーワが入ってくれることに。

練習試合とはいえ、他国との二度目の試合(一回目は2月のアジア野球交流会との試合)。

久しぶりの知らない相手との試合に選手も緊張気味だった。

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香港チームはいいユニフォームやグローブ、サングラス、リストバンド、スパイクにバット何でも揃っていて、その上スリランカの選手の二倍くらいはありそうな大きな体!!

まるでプロを見ているような、ユニフォームの似合う体型。

見た目ではスリランカは貧弱そうに見える。

試合が始まってみると、最初は香港ペース。

エラーや四球などで先制され序盤に4-0。

追う展開に選手たちがどのような底力を見せてくれるかが楽しみだった。

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点を取られすぐさまスリランかの反撃!!

普段は控えの選手もいい打撃を見せ、一挙に3点!!!

一点差に迫る。

最終的には5回で時間が来て結果5-4で負けてしまったが、確かな手ごたえを感じた。

この大会、きっといける!!!そう思ったのは選手も同じだろう。

試合後は少しでも上手くなるよう、しっかりと反省点を話し合い、そして、ホテルに向かった。

さあ、明日はタイとの試合だ!!!!!

気合いを入れてこう!!!!!!

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