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真夏の太陽光線

佐伯哲郎。
彼はあと2週間で帰国するスリランカ考古学隊員である。
今を夢中に走り抜ける彼にとって、時間は何物にも代え難い貴重なものであったはずだ。
彼の今までの人生がずっとそうであったかは定かではないが、少なくとも彼と共に過ごした約7ヶ月間、それに触れ感じることができた。

そんな彼が、アヌラーダプラでU-14の大会を開こうと思ったのは、彼のチームの子供たちに野球の試合を体感し、そして野球の素晴らしさを知って欲しいという思いの何物でもなかった。

アヌラーダプラに唯一存在する野球チームSt.Joseph。
そのチームが発足されたのは佐伯隊員が赴任して約1年後のことであった。
全てが0からのスタートだった。
子供たちも大人たちも野球というものを全く知らなかった。
佐伯隊員が全てを作り上げた。
子供たちの指導からユニフォームの作成、手作りベース、困難は絶え間なくやってきた。
時には子供をきつく叱ったこともあった。
時には学校関係者や保護者とぶつかったこともあった。
しかし、佐伯隊員は一度も投げ出さない。
一度もやめようとは思わなかった。
それは子供たちと佐伯隊員の中にしっかりとした絆、そして野球を愛する心があったからに違いない。
そして野球ができるようになった。

大会は、佐伯隊員の努力無くしてはあり得なかった。
グラウンドの確保、整備、日程の調整、レターの作成、優勝トロフィー、賞状の購入。
周りの野球を愛するスリランカ人の力を借りながらも、殆どを一人でこなした。
そして、大会が開かれた。
佐伯隊員は積み重ねてきた全ての力を出し尽くす場所をも作り上げたのだ。
神様は時に厳しく、試練を与える。
我々の思いとは裏腹に、何か意味を付け加えて、物事を起こす。
St.Josphは結成から大会までの間に、練習試合3試合を含め7試合を戦い結局勝利することはなかった。
日本の高校球児が生涯をかけて努力しても、殆どの選手が涙を流して去っていくように、ここスリランカの地にも勝負の厳しさは存在するのだった。
しかしそこから何かを得ることができるのなら・・・

グラウンドに立つ全ての人々の真上で太陽がいじらしいほどギンギンに照らしている。
ここにも確かに真夏の太陽光線は降り注いでいた。
野球日和だった。

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